元・陸上幹部自衛官の13年間の奮闘記

ダメダメ大学生だった元陸上自衛官の13年間の自衛隊での経験や教訓を共有するブログ

【元空挺隊員が語る】陸上自衛隊第1空挺団での幹部自衛官としての勤務シリーズ① 〜着隊初日のいきなりの洗礼〜

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陸上自衛隊公式HPより引用)

 

おはようございます。

元・国防男子の大吉です。

 

明日から、いよいよ第1空挺団の所在する習志野駐屯地夏祭りが始まりますね〜。

天気も良さそうなので、きっと盛り上がると思います。

 

僕も行きたいのですが、残念ながら今回はちょっと難しそう・・・

 

future-oriented.hatenablog.com

 

今日から、僕が第1空挺団へ異動する前から実際に空挺団で経験したことについて数話に分けてお伝えしたいと思います。

 

僕は、空挺団にいたときの訓練などの思い出は鮮明に覚えているんです。

なぜなら、きつくて訓練中に色々な状況判断をして、

沢山失敗して、ドラマがあったから。

沢山の学びがあり、体力的にも精神的にも

一番自分を成長させることができた部隊

空挺団での数々の刺激的な経験大きな自信につながりました。

 

この記事は、

  • これから第1空挺団で勤務したい人
  • 空挺団で、どのような訓練をしているのかを知りたい人

たちに、オススメの記事です。

 

 

晴天の霹靂 空挺団への異動内示

えっ、まじすか!?

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陸上自衛隊第1空挺団公式HPより引用)

 

先日、新隊員教育の区隊長として勤務させていただいたという記事を書いたが、

実は臨時勤務で新隊員区隊長をやっている最中に、

空挺団への異動の話が来た。

 

中隊長から直接知らされる前に、部隊の第1係長(人事担当)

から直接異動の調整の電話があり、

 

「空挺団への異動が決まったから。」と・・・

「えっ??それは、もう決定したってことですか?」

 工エエェェ(´д`)ェェエエ工

 

「そう。空挺団も人がいなくて困っているらしい。これ断れないから。と・・・

「(断れないのなら仕方ない。)わかりました。宜しくおねがいします。」

 

僕の初めての人事異動は、選択の余地がなかった

  

後から聞いた話だが、第1係長は空挺団に所属していたらしく、

昔の同僚からどうしても若手幹部をくれと懇願されたらしい。

 

確かに、「人事」って「ひとごと」だもんな・・・

( ゚∀゚)・∵. グハッ!!

いちいち個人個人の要望を聞いていたら業務が回らなくなる。

 

新隊員教育の臨時勤務を終了して部隊に戻ったら、早速、古手の陸曹に、

 

「小隊長、本当に空挺団に行くんですか?」

「あそこは、ガチでやばいところですよ。」

陸上自衛隊唯一の“軍隊”ですから。ご愁傷様」

散々ビビらされた。 ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

▽ そして、第1空挺団への異動内示が出た

予定通り、6月中旬頃に異動内示が出た。

異動内示を受けて空挺団に挨拶の電話をした時、

所属する予定部隊の副中隊長から

 

「お前、異動の2ヶ月後には空挺団の訓練検閲があるから、しっかり体力錬成をしとけよ!

「100km歩くのはマストだ。体力がないと死ぬぞ。」

 

と、体力の必要性について特に念をおされたので、かなり不安だった。

前途多難は明らか・・・

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陸上自衛隊公式HPより引用)

空挺団は特殊な部隊なので、

これまでいた一般部隊とは任務が大きく異なる

そのため、必然的に装備品も訓練内容も大きく異なる・・・

 

つまり、2ヶ月で隊員との信頼関係を構築し、

空挺団独特の作戦準備から作戦までの行動要領

器材の運用要領などを覚えなければならない。

  • 作戦のための任務分析
  • 作戦計画作成
  • 命令作成
  • 物料梱包
  • 空挺降下
  • 100km行軍
  • 物料回収
  • 使用したことのない器材・・・・

検閲までにやるべきこと、覚えることは山程ある。

でも、立場上、部隊の中心となっていきなり訓練検閲を

受検しなければならない・・・

大丈夫だろうか・・・・

かなり不安・・・・゚(´・ω・`)ショボーン

 

7月に2等陸尉に昇任してすぐの異動

部隊に幹部は、中隊長のほか部内幹部(I幹部)が1名いるが、

幹部になったばかりの3等陸尉。

彼は陸士から13年くらいずっと空挺団に所属していたが、

階級上、僕が運用訓練幹部となり、

訓練や検閲を取り仕切って行かなければならない立場

 

マジで不安すぎる・・・

 

とりあえず、空挺団は体力勝負の部隊なので、

異動までの残された期間は体力錬成に時間を費やした。

いよいよ習志野駐屯地 第1空挺団への異動

着隊当初はホテル住まい

部隊への異動日が8月1日だったが、

僕が入る予定の官舎が空いていなかったこともあり、

当初の1週間は八千代緑が丘駅前のホテル住まいだった。

ほとんどの荷物も業者に預かってもらっている状態だったので、

かなり不便な生活

その時期は空挺団は夏祭りモードだったので訓練が無かったのが

不幸中の幸いだった。

着隊初日から、早速洗礼を受ける

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陸上自衛隊公式HPより引用)

着隊初日。

異動日は8月1日なのに、

なぜか時間がないからと7月29日に着隊することに・・・

7月29日の着隊時間の手違いにより、

いきなり洗礼を受けることになった。

 

朝の8時ごろ。

見知らぬ番号から電話がかかってきた。

ん?誰だろ?

部隊へ行くのは、7月29日の午後で調整したし・・・

 

「副隊長だ。」

「お前、今どこにいるんだ?」

「ホテルにいますけど。」

「なめとんのかぁ、コラぁー!!」

「すぐに来いって言っただろうが!!なんで来ないんだ!!」

「お?理由を言ってみろ!」

「今日は、午後の1300に行くということで調整していますけど・・」

「お前、空挺団を舐めとんのかぁー!!」

「リーダーの何たるかをしっかり考えろーー!!!」

 ガッチャ!!

 

((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

 

流石、空挺団

電話の受話器が壊れんばかりの大声で怒鳴られた。

いきなり電話越しでこの激烈なシバキ・・・

怖すぎる・・・ 。・゚・(ノД`)・゚・。

正直、初日から空挺団に行くのが嫌になった

あー、元いた部隊に帰りたい・・・ ゚(;´д`)トホホ…

 

でも、急いで部隊に行かなければ・・・

一時住まいのホテルから車を飛ばしてすぐに習志野駐屯地へ向かった。

 

(あー、やだなー。また、激烈にシバカれるのだろうか・・・)

 

でも、自分がちゃんと調整できていなかったからな・・・

でも、8月1日が異動完了日なのに、

何で3日も早く着隊しなければならないのか??

おかしくねーか??これ。

 

後から聞いた話だが、

実は「新しく来る小隊長をビビらせてやりましょうよ」

ということになって、悪ふざけで電話越しで怒鳴ったらしかった。

 

ちなみに、当時は幹部候補生学校からすぐに空挺団に着任する幹部は、

着任行事」と呼ばれる手荒い歓迎をされていた。

空挺団の全隊員が見守る中、駐屯地の営門をくぐった瞬間、銃剣道が始まる。

 

10名程度の銃剣道錬成隊の隊員と連続で銃剣道

それが終了した後、今度は柔道

それが終了した後、空挺団長のところにヘトヘトになって到着し、

漸く「着隊報告」ができるのだ。

幸いにも僕は、空挺団に行く前に一つの部隊を経験していたため、

この着任行事の対象とはならなかった。

 

部隊へ到着後、

大きな不安ちょっとした不満を持って、

恐る恐る中隊長室と事務室へ行った。

実際に部隊に到着すると、そうでもなかった

 

(よかったぁ〜) ゚ε-(´∀`*)ホッ

 

隊員は、夏祭りの準備中でほとんどの隊員が出払っていた・・・

 

着隊日初日は、中隊長へ挨拶をして、これから米国留学が決まっていた

(電話越しでシバかれた)副隊長のところへ。

 

「お!遅かったな。」

「お前、引っ越しはいつやるんだ?」

「1週間後です。」

「この前言ったとおり、すぐに団の訓練検閲があるからな。引っ越しをしている暇はない。とりあえず、荷物を部屋にぶち込んで、荷物の整理は夜やれ。」

 

「それから、お前髪の毛長いな。」

 

(えっ?昨日、着隊に備えて3mmに切ったばかりなんだけど・・・) ( ゚∀゚)・∵. グハッ!!

 

「まずは、気合を入れるために5厘刈りにして来い!それとも俺が切ってやろうか?」

「いえ、自分で切ってきます!」 ( ー`дー´)キリッ

 

そして、その副中隊長から業務の引き継ぎをしてもらう。

 

 φ(..)メモメモ

 

「俺が申し送るのは、1点だけだ。」

「1年前に降下中の訓練事故でうちの隊員が亡くなった。」

「事故直後は、ご家族との関係が大変だったけど、何とかご理解していただいて関係が保てている。この隊員の慰霊行事とご家族との交流だけはしっかりやってくれ。」

「以上!後は、隊員と交流をしながら学んでくれ。俺のパソコンのデータはすべて消去していくから。」

 

「えっ!?2ヶ月後には、訓練検閲ですよ!引き継ぎはそれだけですか??」 ( ゚∀゚)・∵. グハッ!!

 

「大丈夫だ。何とかなるから。」

「それから、死ぬ気でやらないと、うちの隊員は幹部に付いて来ないからな。」

 ( ゚∀゚)・∵. グハッ!!

 

米国留学をした副中隊長から業務を全く引き継げなかったことで、

後でものすごく苦労をしたのは、言うまでもない。

 

せめて、データくらいは残していってほしかったのだが・・・

でも、今となっては自分で調べたり、

隊員に聞いたりしていくうちに隊員との信頼関係も構築され、

とても勉強になったと思っている。

まさか、当時の副中隊長はこのことを狙っていたのかな??

そう信じたい・・・

楽しめなかった夏季休暇

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駐屯地の夏祭りも無事に終わり、今度は待ちに待った夏季休暇

所属部隊が変わったことを伝えるためと実家が農家なのでそれを手伝うため、

夏季休暇は実家に帰省した。

 

本来なら楽しく、リラックスできるはずの夏季休暇。

しかし、訓練検閲のことが頭から離れず

体力トレーニングをせずにはいられなかった。

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毎日、猛暑の中、

山道を15kmほど走り、

100km行軍対策として30kgのコメをリュックサックに入れて

約40kmラックサックマーチ。

夜は、プールに行って4kmの水泳を自主的に行った。 ( ー`дー´)キリッ

 

夏季休暇もほぼ休むことなく、トレーニング。

早くレンジャー課程を修了した隊員たちに近づかなくては・・・

でも、両親はそういう姿をみて喜んでいたので、

それはそれで良しとしよう。

 

夏季休暇もあっという間に終わり、訓練検閲まであと1ヶ月半・・・

(次の記事へ続く。)

 

次の記事は、はじめての空挺団の検閲訓練についてお伝えしたいと思います。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

今日も皆様にとって良い一日となりますように!

 

元・国防男子 大吉