(陸上自衛隊公式HPより引用)
おはようございます。
元・国防男子の「大吉」です。
今日は、陸上自衛隊一般幹部候補生が入校後に陸上自衛隊の幹部としてブレイクスルーする6つの秘訣についてお伝えします。
今回の記事は、
- どうすれば、良いスタードタッシュを切れるのか?
- どうすれば、幹部候補生学校で良い成績が残せるのか?
- どんな心構えで過ごせば、効果的に将来への成長につなげることができるか?
と悩んでいるあなたにおすすめの内容です。
以前の記事にも書いたのですが、幹部候補生学校は、「信頼される小部隊のリーダー」を育成するために最高の環境で教育を受けることができます。しかも、給料をもらいながら!
そんな貴重な教育期間を、より効果のある教育にして、将来トップレベルの陸上自衛官になるための秘訣を教えたいと思います。
これを知っているだけで、幹部候補生学校での教育はかなり充実したものになり、あなたの成長にプラスになるはずです。
1 すぐに、Uダッシュ(陸曹、陸士経験者)の友達を作ること
幹部候補生学校でのスタートダッシュをうまく切るためには、これは超重要。
うまく行けば、そのままビッグウェーブに乗れる。(^O^)
僕の経験を話すと、
僕は、Uダッシュ(自衛隊経験者)と一緒にいることで、部隊経験が全くないにもかかわらず、入校当初から部隊での経験や知識を一気に吸収することができるという非常に大きな恩恵を受けることができた。
僕が、たまたま仲良くなったのが、同じ区隊のT候補生。彼は、陸士から3等陸曹まで経験しており、一般幹部候補生の試験に合格して「Uダッシュ」として幹部候補生学校に入校したのだ。入校前は、5年間、普通科(歩兵)でバリバリ活躍していた。
すでに、5年の経験ってすごくないですか?
陸上自衛隊に関して色々な知識を持っており、部隊でも色々な事を経験している。そして、部隊に着任する初級幹部も沢山見てきている。現場の生々しい話も聞ける。
正に陸上自衛隊に関する知識の宝庫。
幹部候補生学校での僕のメンター的存在。
僕は、彼と仲良くなり、課業の休憩時間にはいつも彼と話し、毎週金曜日の夜には彼と一緒に飲みに行ったり、温泉に行ったり、彼の借家に泊まったりしていた。
彼はすでに結婚をしていて奥様もいたが、奥様も含めて旅行に行ったり飲みに行ったりと公私ともども、かなりお世話になった。
彼からは、本当に多くのことを学んだ。
アイロンのかけ方、半長靴(戦闘靴)の靴先を素早く光らせる方法、銃剣道、嫌われる幹部の特徴、部隊ではどのようにリーダーシップを取っていくべきか等・・・
また、僕が訓練で何かの役職についた時、
「あのときは、このようにすべきだったんじゃないか?」と、訓練が終わった後に色々なアドバイスをくれたし、
課題の発表を渋っていたら、
「おい、行けよ!」
と、笑いながら背中を押しをしてくれたりもした。
彼と一緒にいる中で、本当に多くのことを自然に吸収することができたし、成長することができたと思っている。
実は、メリットはそれだけでない。
彼は、2等陸尉の付教官よりも陸上自衛隊の経験は豊富なので、教官達は彼を一目置いていた。
また、教官達3名では、24時間ずっと区隊の状況を監督するのは難しいので、教官達は、入校当初の区隊のリーダーとして、彼にできていない候補生の面倒を見させたり、教官達が確認しきれなかった区隊の状況等の情報を彼から収集する。
つまり、彼と一緒にいて、手ほどきを受けることで自然と色々なことを吸収して成長できるとともに、教官達からは「あいつは、いつもTと一緒にいるから、大丈夫だ。」という安心の目でも見てもらえるのだ。
自分を素早く成長させるためには、まずは、身近なメンター的存在を作ること。
是非、実践してみてください。きっと、多くの恩恵を受けることができるでしょう!
2 幹部自衛官に成り切ること
あなたは、陸上自衛官に対してどのようなイメージを持っているだろうか?
・ 怖くて厳しい
・ マッチョ
・ 勇敢で優しい 等
イメージは人それぞれだと思うが、大体そんな感じでしょうか?。
そして、幹部候補生の階級は「曹長」。
一般大学卒の一般幹部候補生には、その「曹長」という階級の重みがよくわからないと思うが、Uダッシュの候補生で、陸士から幹部候補生になった僕の同期がよく口にしていた。
「いや〜、まさか曹長の階級を付けれるとは思わなかった。部隊では、曹長ってすごい偉いんやでぇ〜」
そうです。「曹長」って、陸上自衛隊の下士官では最上位の階級。すごく、偉いんです。
曹長には、陸曹、陸士を束ねる役目があり、部隊では曹長の発言は非常に影響力がある。
できるだけ早期に、陸上自衛官のイメージや「曹長」としての階級に、自分自身を近づけていくことが重要。
僕が候補生だったころの尊敬する区隊長の要望事項は、「殻を破れ!」
そして、僕が一番好きな言葉。
現状から抜け出して次のステップに行くためには、現在、誰もが被っている殻を破る必要があるというもの。
入校したばかりのあなたは、きっとまだ大学生や大学院生、Uダッシュの候補生はまだ3曹や士長としての「殻」を被っていることでしょう。
入学当初は、正直何をやっていいのかわからない。教官達はすぐに怒鳴るし、失敗をしたら怒られる。だから、必然的に消極的になってしまう・・・
「僕らは、まだ陸上自衛隊の初心者。幹部の初心者。初心者なんだから、そんなに怒らずに教えてくれ。」と心の中で思ってしまう。
いつまでも「若葉マーク」が外れない。消極的で、勇気を持って一歩を踏み出せない。まだ、「大学生、大学院生、初級陸曹、士長」という「殻」に閉じこもってしまっている。
これでは、いつまで経っても陸上自衛官、幹部自衛官になれない。
すぐに、そんな殻は破って、次のステップに進まなければならない。
陸上自衛隊の幹部候補生学校に入校した時点で、あなたはすでに「曹長」という非常に重みのある階級章をつけた、幹部候補生。見た目は、プロの陸上自衛官。
経験が無かろうが、迷彩服を着て、曹長の階級章を付けていれば、そういう目で見られる。
いつまでも「若葉マーク」は通用しない。
入校後、できるだけ早く「殻」を破って、「曹長の陸上自衛官」としてのイメージに近づくように努力をしてほしい。
「すぐに、殻を破れ!」
3 反発をせず、すべてを受け入れること
幹部候補生学校での教育は、自衛官としての基礎から始まる。「基本教練」と呼ばれるもので、敬礼の仕方、号令のかけ方、行進の仕方等について学ぶ。これまで、大学や大学院で難しい学問をやってきたあたなたにとっては、正直、退屈でつまらないと感じるだろう。
そのように「型」にはめられる教育が嫌で入校から一週間くらいで、幹部候補生学校から去っていく人も多くいる。
しかし、そのような「基本的な動作」は、自衛官としての基礎。新隊員教育でもみっちりと演練するし、全自衛官が当たり前にできること。
毎日、部下の前に立って、答礼をしたり、号令で部隊を動かさなければならない幹部にとっては、そのような基礎的な動作はとても重要だ。できなければ、部下からバカにされ、「できない幹部」とレッテルを貼られ、部下は言うことを聞いてくれなくなるだろう。
だから、つまらないと思う、そのような基礎的な動作こそ、完璧にできるようにならなければならないのだ。
恐らく、幹部候補生のときが、教範(きょうはん。陸上自衛隊の教科書のこと)どおりの一番きれいな敬礼ができる。
不思議なもので、階級が上がるに連れて、自衛官の基礎的動作である敬礼の動作が下手になってしまう人が多い。経年劣化状態。部隊でも、本当に綺麗な敬礼をしている自衛官は少ない。
そのような幹部の言動を、部下はしっかり見ている。特に、高校を卒業して入隊してきた陸士は、自衛官としての基本的動作を徹底的に教育されて入ってくるが、あなたの下手な敬礼を見てがっかりするだろう。
幹部候補生学校で学ぶことに、無駄なことは一つもない。
つまらないと思うことにも、すべてが部隊の統率に繋がる。
すべての教育を全力で取り組むべきだ。
4 毎日やるべきことを怠らないこと
幹部候補生が毎日やるべきことに、靴磨き、プレス(アイロンがけ)、ベッドメイキング、清掃、体力錬成等がある。
特に、靴磨きやプレスは時間がない候補生にとっては、毎日やるのが面倒になってくる。
(今日は、迷彩服にそんなにシワがついていないから、プレスを掛けなくてもいいか・・・)
そんな誘惑に駆られる時がある。
そこで、迷彩服にプレスをしないで、朝礼場に立とうものなら、即、教官の餌食になってしまう。そして、連帯責任となるので、しっかりとやることをやった同期も被害を被ることになる。
幹部候補生学校の時は、しっかりと教官達が監視してくれているので、まだいい。
でも、部隊に行ったら、あなたは幹部なので、部下はいちいち指摘なんかしてくれない。
「あの幹部は駄目だな。」と見放されてしまうだろう。
自分のことを自分自身で律することができなければ、幹部自衛官としてやっていけないのだ。
言われても、できない幹部
言われたら、できる幹部
言われなくても、できる幹部
さて、あなたが目指すべき幹部はどれでしょう?
毎日、しっかり靴を磨き、プレスを掛け、髭を剃る。自分が納得できるくらい魂を込めて、全力でやる。その魂の篭った靴を履き、迷彩服を着る。
個人的な感覚かもしれないが、これをやれば、心身が引き締まり、幹部自衛官としての自覚が生まれ、自信がみなぎってくる。これは本当だ。
不思議なもので、それを習慣化するうちに、アイロンのかかっていない、シワだらけの服は着れなくなるし、磨かれていない汚い靴は履けなくなってくる。
僕は、自衛隊を退職した今でも、Y シャツを着るときには自分でアイロンをかけ、ビジネスシューズもピカピカに磨く。さらには、娘の幼稚園の服やスモック、ナフキンにもアイロンをかけ、上履きや靴も毎週綺麗に洗っている。
良い習慣は、あなたにとってきっとプラスに働きます。
5 疑問を持ち、自分ならどうするかを常に考えること
もう耳タコかもしれいないが、幹部候補生学校は、「信頼される小部隊のリーダー」を育成する学校。
リーダーとして、部隊を指揮する訓練が主要な訓練となる。なので、幹部候補生学校では、2名以上で行動するときはすべて「部隊行動」として行動する。指揮者はしっかりと「号令」をかけて、他の者を指揮する訓練をあらゆる場面で訓練するのだ。朝礼場から教場に行くとき、食堂に行くとき、風呂に行くとき等すべて。部隊を指揮する訓練を徹底的にやるのだ。
しかし、役職を与えられて区隊を指揮する機会、例えば、区隊当直、戦闘訓練中の班長や小隊長として指揮をする機会は、限られている。当直や訓練では、平等に役職が割り当てられるため、 役職を与えられて訓練中に部隊を指揮できる機会は限定されるのだ。
自分が役職に当たった時だけ、役職になりきる。後は、リラックスして部下に徹する。絶対にやってはいけないことだ。
先程も述べたとおり、役職を与えられて指揮できる機会はかなり限定されている。
同期が役職に就いて指揮しているのを見て、同期の良いところや改善すべきところを確実に自分の教訓としていかなければ、成長はできない。
「こうすれば、もっとうまくできたんじゃないかな?」
「すごい!この視点は僕にはなかったから、参考にしよう。」
「自分ならこのように行動する。」 など
常にこのように考えながら教育を受けると、より多くのことを吸収でき、大きな成長を期待できますよ。
6 将来への「自己投資」をすること
ほとんどの一般幹部候補生は、幹部候補生学校が初めての就職先となる。このため、結婚をしていない人は、給料がまるまる手に使える。
同期の中には、節約をして、どんどんお金が溜まっていく通帳を見ながら笑みを浮かべている人もいた。
給料をどう使おうがその人の勝手だが、幹部候補生学校時代は、セコセコ貯金を増やすよりも、僕は、将来への「自己投資」をしたほうが良いと思っている。
ここで言う「投資」とは、株やFXや不動産投資のことを言っているわけではなく、将来自分を成長させるための「教育」「経験」や「トレーニング」等のこと。
将来、より大きな花を咲かせるために、今のうちに栄養を沢山与えておくこと。
人生においては、非常に重要なことだと思います。
例えば、英語。
ご存知のとおり、英語能力は一朝一夕では伸びません。これから、陸上自衛官として英語能力は益々重要になるでしょう。PKO等の海外派遣だけに限らず、日米共同訓練やコブラゴールド等の海外の軍隊との共同訓練・・・すべて英語が使われます。英語ができれば、職域が海外に広がりますし、将来受験するであろう指揮幕僚課程もTOEIC(L&R)の点数が評価の対象となるので、試験にも有利に働きます。
学校での成績が良かったので、「米国留学」の候補となりました。
米国陸軍で1年間勉強できるチャンス!が訪れました。
でも、残念ながら、英語がしゃべれません。
これでは、せっかく巡ってきた貴重なチャンスを逃してしまうことになります。
このようにチャンスを逃さないためにも、現在はそれほど重要でなくても、将来的に重要となってくるものに早い段階からお金をかけて「自己投資」をしておくべきなのです。
必要だと気づいた時にはすでに遅く、多くのチャンスを逃してしまうことになるでしょう。
自分の将来の成長のためにも、お金をかけるべきところには、惜しまずお金をかけましょう!かけたお金よりも大きなリターンとして返ってくるでしょう。
以上が、
【陸上自衛隊一般幹部候補生が入校後にブレイクスルーする6つの秘訣】になります。
1 すぐに、Uダッシュ(陸曹、陸士経験者)の友達を作ること。
2 幹部自衛官に成り切ること。
3 反発をせず、すべてを受け入れること。
4 毎日やるべきことを怠らないこと。
5 疑問を持ち、自分ならどうするかを常に考えること。
6 将来への自己投資をすること。
是非、実践してみてください。必ず、ブレイクスルーが起こせるはずです。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今日も皆様にとって、良い一日となりますように。
元・国防男子 「大吉」