元・陸上幹部自衛官の13年間の奮闘記

ダメダメ大学生だった元陸上自衛官の13年間の自衛隊での経験や教訓を共有するブログ

幹部候補生学校での生活 〜何でこんなことまで統制されるのか?(;´Д`)〜

こんばんは。

元・国防男子の「大吉」です。

 

今日も幹部候補生学校生活シリーズをお伝えしていきたいと思います。

 

軍隊では当たり前ですが、自衛隊幹部候補生学校含む。)では、

理不尽とも思える多くの「統制」事項があります。

 

一般大学卒から幹部候補生学校に入校した方は、

これまでの大学時代の「自由」な生活から一変するので、

「何でこんな事まで決められないといけないんだ!(怒)」と不満に思ったり、

あまりの統制の多さに面食らってしまうこともあるでしょう。

僕も、当初は色々と理不尽だな〜と思いながら過ごしていました。

 

でも、一見馬鹿らしいその統制一つ一つには、ちゃんと「意味」があり、

深く追求すればメリットもあるんです!

 

ここでは、

①ベッドメイキング

②靴紐

の2つを例にとって話したいと思います。

 

地味に辛い、ベッドメイキング

入隊後、僕が一番疑問に思ったことが、ベッドメイキング

 

ホテルの従業員でもないのに、

なぜ、そんなにキレイにベッドを畳み、敷かなければならないのか???

 

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幹部候補生学校HPより引用)

 

朝起きたときには、統制された畳み方で掛け布団、毛布、シーツを畳み、

同じ方向、位置にキレイに置く。

すべての毛布は、倉庫畳という畳み方でバームクーヘン状

両端をきれいに揃え、

使ったシーツもきれいに折りたたんで、

統制された方向、位置にきれいに揃えて置く。

 

一人でもできていなければ、「台風」とよばれる反省が待っている。

「台風」とは、整理整頓状況等が悪い場合、

教官により「台風」通過後のように部屋を荒らされること。

訓練から居室に帰ってきたときに、

再度、整理整頓をやり直さなければならない自衛隊式の反省のことである。

 

また、寝る前には、ホテル並みにピシーッとシーツを敷いて、

ベッドマットの下に毛布とシーツを織り込んで・・・

シーツは2枚あって、必ず全部使用しなければならない。

代々使用されてきている毛布で結構汚れているので衛生面でよろしくないからだ。

夕方には、教官による点検もあり、統制通りにできていなければ、

毎度の「反省」が待っている。

一人のミスは、全員のミス。

自分がしっかりやっていなければ、他の同期に迷惑をかけてしまうことになる。

 

この「ベッドメイキング」は、時間のない候補生にとっては、

地味に時間がかかるので結構面倒・・・

 

でも、毎日やるので数ヶ月も経てば、ホテル(ベッドメイキング係)に

就職できるくらいの練度になるw

 

「普通の人にとったら、ベッドは寝られれば、OKでしょ?」

「何でホテルの従業員でもないのに、こんなつまらんことに時間を割かなければならないんだ?本当に理不尽な組織だ。」

「こんなことやる暇があれば、もっと重要な事に時間を割いたほうが有効だろう。」

と、当時の僕は不満に思っていた。

 

が、後になって苦痛だった「ベッドメイキング」は、

想像以上のプレゼントをもたらしてくれた

 

それは・・・

毎朝夕、神経を集中させて毛布の端をバームクーヘンみたいに

ピシッ揃えたり、

毎日、靴先が鏡になるくらいにピカピカに靴を磨いたり、

迷彩服に糊を使って一本のシワも残さずアイロンをかけたりしているうちに、

心もピカピカに磨かれていたようで

自衛官・幹部としての自覚責任感までも

備わってきたのを感じたのだ。(←これ、本当!)

 

また、細かい事にも、気が回るようになり、

「いつもと違う状態」をすぐにキャッチできるようになる。

つまり、「異常な状態」や「変化」を見分ける直感

みたいなものも自然と備わってくるのだ。

 

更には、

ベッドメイキングをしているうちに、「同期よりもキレイに作ってやろう」

という気持ちになって、競争心が生まれる。

 

如何に自分のベッドをキレイに魅せることができるか?

 

最早、自己満足の世界w

単なるベッドメイキングだが、それを深く追求したくなり、

キレイに魅せるための「工夫」や「改善」をするようになる。

(←職人の域!)

もちろん、「統制」の範囲内でね。

また、同期と競争し合うことで、良いアイデアが共有され、

皆で更に成長することができるのだ。

何事も追究することは大切ですね。

 

以上が、ベッドメイキングから学んだこと。

 

「たかがベッドメイキング。されどベッドメイキング。」だ。

 

靴紐の結び方の統制は、怪我防止のため。

次に、戦闘靴(半長靴)に関する統制。

 

陸上自衛隊には、靴を履くにも統制があるのだ。

 

まず、1つ目。

初めに靴紐を通す際は、上から下に通す。

それから、小指側から紐を通していく。

理由は、親指側より小指の方の骨が折れやすいので、

小指側の方からしっかり縛っていけば、

着地の衝撃等から足の小指が保護されるためだ。

 

2つ目は、紐を結ぶときは、「本結び」という結び方をして、

端末を戦闘靴の中に入れる。

これは、本結びで紐を結んでおくと訓練中の激しい運動時にも解けないからだ。

訓練中、走っている時に紐が絡まってコケてしまって怪我をすることもある。

 

こういう靴紐の結び方一つをとっても、

訓練中の怪我を減らすための知恵が結集されているのだ。

 

幹部として必要なことは?

でもね、上記のことは、陸上自衛隊では言わば「常識」。

新隊員教育でも同じことを教えているし、自衛官であれば誰でも知ってる。

 

幹部候補生学校は、小部隊のリーダーを育成するところ。

教官は、1から10までのすべてを教えてくれない。

 

幹部候補生の時によく言われた言葉は、

幹部は、自分たちの頭を使って主体的に考えろ!」だ。

言われた事を盲目的にやるのではなく、

これから幹部として勤務していく者として

 

 「何のために、これをやるのか?」

 「なぜ、これをやるのか?」

 

を常に考えながら、仕事をする。

 

この「目的思考」こそが、幹部自衛官に求められていること。

「ベッドメイキング」のような、どんなに些細な事でも、

常に「目的」や「理由」を考えながら教育に臨めば、

将来きっと色々な場面で役に立つと思いますよ!

 

 

最後まで読んでくれてありがとうございました。

 

元・国防男子 「大吉」でした。